防草シートの耐用年数とその根拠について?
防草シートを使うべきなのか?と検討を始めて防草シートについての勉強を始めると、除草費用と設置費用の費用対効果の比較をすることになります。費用対効果の計算に必要不可欠な要素が耐用年数です。ここでは、防草シートの耐用年数について考えてみます。
目次
1.耐用年数の基準は何か?
2.税務上から見たの耐用年数は?
<休み時間>販売会社の防草シート事情
3.まとめ
1.耐用年数の基準は何か?
耐用年数を考えてみると、耐用年数の基準について、次の項目が出てきます。
①経年劣化による風化に何年耐えられるのか?
②経年劣化による遮光率の悪化に基準を設けた場合の耐用年数
以上の2つの基準を考えることが出来ます。
①経年劣化による風化を考える。(ポリプロピレン製)
右上部の写真はポリプロピレン製の防草シートの劣化具合です。この写真を見ると2年経過時点から草が生えかけて6年後には「防草効果が無い」といえる状況になっています。写真で判定するとすると、耐用年数は3~5年といっって良いのではないでしょうか。
①-2経年劣化による風化を考える。(ポリエステル(ペット)製)
右の写真はポリエステル(ペット)製不織布防草シートの経過写真です。表面が光って見えるのは、北側の斜面で日当たりが悪いため水気を含んでいる為です。上のポリプロピレン製に比べると明らかに、防草効果を保っているといえます。つまりポリプロピレン製より、ポリエステル(ペット)製の方が耐用年数が長いといえます。予測になりますが、ポリエステル(ペット)製の対応年数は少なく見積もって8~10年程度と言ったところと推測します。
ポリエステル(ペット)製防草シートがポリプロピレン製よりも優れている情報は素材の比較をご覧ください。
②防草シートの遮光率の悪化に基準を設けた場合の耐用年数
防草シートを敷くと、なぜ草が生えてこないかというと、防草シートを敷くことにより日射を遮るからです。草を完全に生えない環境を作るには遮光率が99.5%必要とされています。ですので防草シートの多くは99.5%以上の遮光率の商品が多いのです。但し遮光率が99.5%を下回ったからといって、急に草が生えてくるわけではありません。遮光率の変化については現在検査中ですので検査結果が出ましたら報告したいと考えております。
2.税務上の耐用年数
ここまでは製品を分析して耐用年数を考えてきました。ちょっと視点を変えて、税務上の耐用年数を見てみましょう。
東京都主税局の資料【減価償却資産の耐用年数表】で調べてみると防草シートは、15ページ、11前掲以外の物>シート及びロープに該当し国の認めている耐用年数は2年です。
税務上の対応年数が実際に使える期間を表しているわけではありません。現に税務上の対応年数を超えても使用可能な品物はたくさんあります。ちなみに、防草シート以外の身近な耐用年数を見てみると、、、
細 目 | 耐用年数 |
パソコン | 4年 |
コピー機 | 5年 |
金属製の机・イス | 15年 |
金属製以外の机・イス | 8年 |
みなさんはどのように感じられますか?パソコン、コピー機はもう少し長く使っていませんか?机、イスはどうですか?もう少し使っていますよねー。とは言っても2倍の耐用年数があるか?と言われれば、2倍は使っていないような気がします。耐用年数表の1.5倍程度がといったところと考えるのが妥当と思います。
このように考えると、対応年数は3年?となってしまいます。個人的には3年は少し短めのような気がします。
<休み時間>販売会社の防草シート事情
ここまで読んでいただいた方は、私がかなり辛口でコメントしたので、防草シートの耐用年数はネットの情報より短い印象を持たれたと思います。ネット上で掲載されている防草シート耐用年数が長いのは、耐用年数を勝手に売る会社が決めて掲載しているからです。私が個人的に思うのは、耐用年数を謳うのであれば耐用年数よりも短くて良いので「保証をすべきだ」思っています。しかし、販売会社は保証をしていません。販売会社が耐用年数が長いと言っておきながら保証はしないのには理由があるのです。このページをご覧ください。>>>防草シートをメーカーが保証しない理由
3.まとめ
1.防草シートの耐用年数はポリプロピレン製よりポリエステル(ペット)製の方が長く、8~10年と考えられる。
2.防草シートの法定耐用年数(減価償却)は2年である。
3.防草シートの耐用年数は、販売会社が決めている場合が多く、販売会社は保証をしない。
ご拝読ありがとうございました。